特徴
高齢者が訴える膝の痛みの中で最も一般的な疾患です。
60歳以上になると誰でもある程度、膝の変形は出てきます。変形性膝関節症は関節軟骨の老化現象と摩耗が主体です。
それに伴い膝周囲の筋肉が硬くなります。膝を中心に股関節、足関節も硬くなっています。その部分にリリースが必要です。
O脚変形・肥満・筋力低下なども原因となります。従って膝周囲の筋力訓練が大切です。誤った方法はかえって症状が悪化しますので、きちんと指導させていただきます。
症状
膝の内側に痛みが出る事が多く、立ち上がった時の初めの痛みや、歩き始めの膝の痛みなどが特徴的な症状となります。
階段の昇降時の痛みがあり、特に降りる時に痛みがある事が多いです。
しゃがみにくく、正座をすると痛みがあり、症状が強ければ正座不能な事もあります。
膝に水が溜まることもあります。
施術方法
変形性膝関節症の施術は、膝周囲の筋肉が硬くなっていたり、滑走性が悪くなっていたりしますのでそこの筋・筋膜をリリースいたします。
また膝関節が硬くなり、完全に伸びなかったり、曲がらなくなっていたりします。
膝周りの大腿四頭筋、縫工筋、ハムストリング、内転筋などをリリースいたします。
その他、股関節や足関節が硬い場合は関節をリリースいたします。
変形の程度によりますが、ほとんどの場合可動域や痛みの軽減が見られます。
ひじり鍼灸整骨院では神経を介して筋・筋膜リリースを行う非常にソフトな整体方法です。
セルフケア
①膝振り子運動:大腿四頭筋やハムストリングの筋力訓練が一般的ですが、変形性膝関節症のセルフケアの運動療法として膝の振り子運動があります。
膝の関節軟骨が再生する可能性のある体操です。
イスに座り自分で太ももを抱えてぶらぶらと振り子のように膝を曲げ伸ばしします。
30回程度を一日3回行ってください。
できれば、起床時や長く座って立ち上がる前に行ってください。
そうすると、その刺激が関節の袋の滑膜という関節の中の組織からヒアルロン酸が排出され、関節の中が潤い、軟骨に栄養が行きわたるようになります。
組織は元の硝子軟骨ではなく、線維性軟骨に再生されると言われています。
継続すると関節の隙間が広くなる症例が報告されています。
②筋力訓練:痛みが出ない範囲で大腿四頭筋、ハムストリングを鍛えます。仰向けで膝の下に何かを引き、それを膝裏でそれを押さえます。
5秒を10回程度行ってください。痛みがきつい場合は行わないでください。
③水中歩行:道路を歩くのが痛む場合はプールで歩いてください。
④温熱療法:慢性的な痛みの場合はお風呂や足湯でよく温めて血流を促す。
⑤体重管理:体重は膝関節に影響しますので、食事や運動で管理してください。
変形性膝関節症の手術を考える前にできる事はあります。
これを知っていて欲しいのですが、軟骨がすり減っただけでは、軟骨には神経が無いので痛みは出ません。
筋、筋膜の影響で痛みが出ている場合、手術で人工関節にしても変形性膝関節症の痛みは減りません。