肩関節脱臼
特徴
手をついて転倒した場合や、肩を直接打った場合に発症します。元々関節がゆるい方は何回も外れてしまいます。そんな場合は手術が必要な事が多いです。
肩関節は人体で最も自由に動かせる関節ですが、その反面最も脱臼しやすく、全脱臼中の45%を占めるとの報告もあります。
この脱臼の厄介な所は再発しやすいという事です。
特に若年者は、初回脱臼後66~94%も再発すると言われています。今までの三角巾を肘に掛けていた固定では再発が多いので、現在は肩関節外旋位(肘を開いた肢位)で固定します。そうすると再発率がかなり軽減します。
症状
脱臼すると肩が挙がらなくなります。痛みも腫れも強いです。
ほとんどが上腕骨の頭が肩関節の前方に脱臼します。
その為、肩甲骨の先の肩峰と呼ばれる部分のすぐ下方に上腕骨の頭が触れなくなります。
肩は30°程外側に開いて固定され、その開きを戻してもまたもとの位置に戻るという弾発性固定が見られます。
肘関節脱臼
特徴
肘関節の脱臼は肩関節の次に多い脱臼です。
肘を伸ばした状態で手をつき転倒した際に起こりやすいです。
症状
青壮年者に起こりやすく、肘周囲の骨折も合併しやすいです。
ほとんどが前腕の骨が後方に脱臼します。
肘は30~40°曲がった状態で固定され、動かせなくなってしまいます。
手が動かせなくなったり、痺れたりといった神経症状を伴うこともあります。
肘内障
特徴
学齢前、特に2~4才の小児特有の外傷です。親御さんに強く手を引っ張られたり、子どもが腕にぶら下がった際に起こります。「肘が抜けた」と呼ばれるものです。
症状
子供が急に泣きだし腕を動かさなくなくなります。
肘にある靭帯が少しずれた(亜脱臼)状態ですので、単な整復操作で良くなります。固定もまず必要ありません。再発をしても成長に伴って自然に起こらなくなります。